ダニエル・キイス原作のこの有名な作品、
読まれたことのある方も多いかと思います。
僕も遠い昔に読んだ記憶はあるのですが
内容はほとんど忘れていました。
シュタイナー教育では高等部で
先ずは悲劇を学ぶのですが
11・12年生たちは
この作品をその悲劇作品として
すでに昨年度演じていました。
そのときは、4人が横並びに立ったまま
セリフと身振り手振りで
演じる朗読劇に近いものでした。
それはそれで感銘を受けたのですが、
医学的な実験を伴ったストーリー、
セリフの速さからかなり
理知に寄った印象を受けました。
この作品をフルバージョンとして
次年度卒業演劇として上演すると聞き、
いったいどういう劇となるのか?と
とても興味がありました。
「理知に寄った」、というイメージが
前回ありましたが、
今回の卒業演劇を観て思ったのはその逆で、
なんと「人間的な」劇なんだろう!ということでした。
原作を読んだ方ならご存知かと思いますが
「知識を得ること」「知能が高くなること」が
幸福と本当に結びついているのか?
現代社会が抱える矛盾と葛藤を
考えさせられます。
劇が伝えたいことを理解できるのは、
11・12年生四人の力によるものだと思います。

冒頭のシーンから最後まで
ずっと引き込まれっぱなしで、
みんな見事に劇の中で生きていました。
悲劇のときと較べるのは、
形式からして違うので
適当でないかも知れませんが、
一人一人の成長が本当に見違えるようでした。
この劇にかける彼、彼女たちの真剣さに
僕は打たれてしまいました。
本番が近づいてくると
平日も遅くまで学校に残り、
土日もなく練習していると聞いていました。
楽しく、充実していたと思いますが、
一方本当に大変だったと思います。
でも僕はこんな青春の時間を過ごす
彼らが素直に羨ましいです。
最後に、一人ずつやり終えた
感想を言ってくれたのですが、
その晴々とした姿、
落ち着いた一言一言から彼ら、
彼女が劇を通して
本当の自分自身を発見したような喜びを感じました。
そして発言している、苦労を分け合った
仲間を見つめる眼差しに胸がじーんとしました。
どうしてそう感じたのか?
その眼差しの中に
お互いのことを尊重しようという気持ち、
理解し合おうという気持ちを
強く感じたからだと思います。
それらは以前からあったのでしょうが、
この素晴らしい劇を生むため、
たくさんのことを乗り越えることで
大きく育ったのではないでしょうか?
12年生劇を見るたびに
本当に新鮮に驚かされます。
感動させられます。
元気をもらいます。
11・12年生の皆さんありがとう!
そして指導にあたった大場浩子先生、
高等部コーディネーターの堀田先生、
影で劇を支えた10年生たちにも感謝を!

・・今後の開催イベント・・
・8/27(土) 佐藤邦弘先生 大人向け高等部体験授業(世界史/ガンディー)
・8/28(日) 学園見学会・体験授業【第2回】(1年生・8年生)
・9/18(日) 学園説明会【第2回】
*詳細や募集については決まり次第、ホームページに掲載いたします。
・・募集中・・
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