娘の「悲劇」を観劇してきた。
普通の演劇を想像してたが、幕が開けると譜面台を前に
白い服に黒のパンツ姿で4人が立っている。
朗読劇だった。
4人全員が順番に朗読で
主人公のチャーリーを演じるところから始まった。
(*写真は本番前の練習時と本番直後のもの
衣装や動きが異なるところがあります)
皆が同じ人物を演じようとしている
ことが良く分かったし、よく表現されていた。
それでいて、無邪気さのあるチャーリー、
生真面目さのあるチャーリーなど、
それぞれの個性も楽しめた。
朗読の途中の場面場面を寸劇として切り取って、
各自が色々な役を見せてくれた。
それぞれが堂々と演じる姿に引き込まれ、
あっという間に終わった。
上の学年の悲劇の題材がオセロだったように、シェイクスピアの悲劇作品など、
これぞ悲劇という作品が選ばれる
イメージを持っていたので、
「アルジャーノンとは変わった作品を選んだな」
と思ったのを覚えている。
子どもたちとしても、演じるにあたって
参考にする脚本などの材料が多い作品ではないので、
取り組むには課題も多く困難だったことだろう。
娘の様子からもそれは伝わってきていた。
年が明けてから作品選びからやり直しかも、と聞いていた。
後から聞いたことだが、
1月から悲劇の授業を担当して頂いた
大場先生から供された資料から、
作者ダニエル・キイスがこの作品を
悲劇として書こうとしていたことを知り、
運命的なものを感じ気持ちも新たに
作品作りに取り組むことになったようだった。
先生の授業は、「なぜこのセリフを言うのか」を
どこまでも掘り下げて演技を指導され、
深く読み解くことのできる大変さと面白さがあるとのこと。
理系脳で人生を邁進してきた父としては
その深淵なる世界は分からないのだが、
悲劇の授業を通して
多くの学びを得たことはよくわかった。
劇は、作品の途中の場面、
チャーリーがネズミのアルジャーノンと
共に逃げ出そうとする場面で終わった。
帰宅した娘に
「逃げ出した二人が不幸になるか、
幸せになるかあれじゃわからないね?
悲劇だったか伝えられなくない?」と、
ぶつけてみた。
すると、「授業の中で悲劇はやってるからいいんじゃない」
と返ってきて、発表するまでの過程で
十分この子は悲劇を味わったことを思い知った。
観客のためでなく、
この年の子どもたちが体験することが
本来の目的だったこと、
娘の言葉からその大事なポイントを思い出した。
それが体験できてよかった。
今年7月の12年生劇は、
同じメンバーで演じる
「アルジャーノンに花束を」
の本編になるとのこと。
悲劇の授業で味わい成長したことも含め、
どんなことをさらに体験して
舞台で表現するのか今から楽しみです。
(10年生保護者)

・・今後の開催イベント・・
・5/7(土)学園見学会
・6/4(土)学園説明会(入学説明会)*詳細や募集については決まり次第、ホームページに掲載いたします。
コメント
このブログにコメントするにはログインが必要です。
さんログアウト
この記事には許可ユーザしかコメントができません。