
劇では道化から公爵まで幅広く演じた7年生のお父さんの感想です。
(お父さん達の感想を読んで、またまた担任は泣いてしまったのでした。)
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子供達が縦横無尽に舞台を入れ替わりたち代わり、
役を変えては登場し、品のある言葉を置いていきました。
最高の劇場で名優を揃え一流の演出家が創ろうとも、
戯曲選びを失敗したらもうどうにもならないといいます。
子供達の素直さと天才シェイクスピアが生み出した不思議な舞台でした。
あの酔っ払いは父親がモデルなのかな?とか、
親戚に厄介者のおじさんがいるのは世界の共通だ!とか、
衣装の質が高い!とか、オイリュトミーがあるのは特色だなとか、
生演奏がすごい!とか、言い尽くせませんが、
舞台演劇特別な楽しみは、
一瞬でも、セリフに引き出されて素の自分が顔を出すのを目撃すること。
まさに「面白い」です。
初めは申し合わせ通りに遂行することに徹していた
珠のような役者さんたちも、だんだん自分の発するセリフに
心が反応し美しい表情や仕草が、
予定されたセリフや行動と引き換えに幾度も顔を出し、
無邪気に生きる姿は癒しを生んでいました。
一年生からこれまでの先生にとっての長い長い毎日、
想像するだけで気が遠くなる取り組みのお陰様が
いよいよ顕現し始める時期。親にとっても堪忍の連続、
それでもこの教育を信じてきた思い入れが
いよいよここから報われ始める。
この演劇はその兆しを知らせるものです。
シュタイナー教育では「大人の覆い」を大事にします。
先生を通して世界を見ていく、情報とじかにアクセスしないことで、
繊細で堅固な一本の糸のような思考と調和のとれた弦のような情緒を
丁寧に育て上げていくことに周りの大人は注意を向けます。
「本当に私が生んだ子かと感心した」と、
涙ながらにコメントしたお母さんがいました。
自分の子を尊敬できるとは親にとってなんと幸せなことでしょう。
能率効率最優先は同時に尊ぶもの敬うはずのものを喪失することでもあります。
これらはてまひまをそそぐことで育つものです。
子供たちが尊いものとして接していくこの教育、
この学校そのものの成果が顕現し始めています。
(7,9,10年生保護者 父)
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